構えのコツ②体重を左足に思いっきり(8:2~9:1くらいの比率)乗せる

2022年4月8日

重心の位置を意識することは重要である。剣道の場合、「体重は左右の足の間の真ん中に置く」と教えられることが多いが、これは経験を積んでいく中で「ちょっと違うかも」と気づいて自分なりにいろいろやってみることが大切だ。

体得のコツ

左足一本でその場で何回か”ケンケン”してみて着地する。その着地した足でほぼ全体重を感じたまま、右足のつま先をそっと床につく。左かかとは2cmくらい浮かせ、右かかとは数mm浮かす。両ひざは軽く曲げ、いつでも動ける状態にする。左足に体重がかかっているので、鏡で見ると左足が体の中心の真下にあり、右足は体の右側にずれているはずである。(図1)

【図1】

構えている間は、できるだけ左足の上に体重を乗せたままとなるように意識し、右足に体重を移動するのは、打ち込み動作の最後の最後まで我慢する。

こうする必要がある理由
※読みたい人だけ参照

左足に体重を乗せることで、右足のつま先を自由に床の上で滑らすことができ、打つときに左足を継ぐことなく、右足一歩、一拍子で打つことができる。また、左足加重であれば打った後の左足の引き付けは勝手に早くなり、遅くなることはあり得ない。上級者になってくると、右足だけを出して相手の打ちを誘い、出端技や返し胴を狙うこともできる。
重心を両足の真ん中に置けという人がいるが、真ん中に置くと、右足を滑らせて前に出すときに一旦左足に体重をかけ直す必要がありその分出遅れる。また、攻め合ううちに歩幅が広がり、右足に体重が乗って体が前に出ることも下がることもできなくなり(剣道用語で「居つく」と言う)、打たれる機会になりやすい。よって、意識して左足に乗り、右足を若干浮かせるようにし続ける必要がある。
よく、後ろ足に体重をかけると出端面の時に前に出るのが遅くなる、という人がいるが、それは出端面を「自分が前に跳んで打つ技」と勘違いしているからである。出端面は、自分が前に跳ぶのではなく、相手に跳ばせて、近くまで来た相手の面を、自分の踏み込んだ右足が着地する前に空中で先に叩く技である。詳細は別の回で紹介する。

剣道

Posted by 管理人