竹刀の握り方のコツ
もっとも基礎的でいて非常に重要。今までのよくある教え方のよくないところを確認しながら、誤解しにくくイメージしやすい例えを使うことで、ちょっとしたコツを伝えたい。
今まで伝えられてきたありがちな教え方
通常、例えばこんなふうに教えることがほとんどだが、これはイマイチな教え方だと思う。
・右手は卵を握るように、左手は傘をさすように持つ
→卵や傘を持たせても初心者は竹刀をどういう角度で持ったら良いかわからない。
・竹刀を真っ直ぐ構え、右手首、左手首を内側に絞り込み、真上から持つ
→左手首は真っ直ぐよりやや大きめに内側に絞り込むが、右手首はあまり絞りこんではダメ。理由は、打つ時に右手を内側に入れる分を残しておくため、小手を打たれた時に返し技で応じられるようにするためである。
では、初心者にどんなふうに説明したらよいか。詳しくは以下に書く。
ここでの新しい教え方
赤い字のところが、ちょっとした”コツ”である。
・手の形は、人差し指だけちょっとはなれてピストルの引き金引くみたいな形。(右手、左手両方)
・親指と人差し指の間のV字を竹刀のグリップ(束”つか”)の縫い目に合わせる。
・右手は、小指と薬指で、”下から支えるようにしながら”、やさしく(だけどしっかり)持つ。かぎ型に曲げた人差し指を軽く鍔につける。人差し指がまっすぐ伸びたり、握る力がゆるすぎるのはダメ。
・左手は、手のひらの写真のくぼみのところに竹刀のおしり(束頭”つかがしら”)を当てて、小指と薬指を使って包み込むように握る。左脇を軽く締めて右手より手首を大きめに絞り込み、手の甲を使って”剣先を持ち上げるように”持つ。
・構える時は、竹刀は真っ直ぐではなく、竹刀の弦(つる)がほんの少し右に傾くように持つ。(真剣だったとしたら、刃が若干左下に傾くように) こうすることにより、左手首は強めに、右手首は弱めに絞り込む形になる。
・左右の手の力のバランスは、6:4~7:3で、主に左手で支え、右手で補助するくらい。
・力を入れ過ぎず、手のひらが束革(つかがわ)にピタッとフィットするようなイメージで、やさしく、しっかり持つ。
以上が竹刀の持ち方の基本である。
ポイントは、竹刀を手のひらに対して斜めの角度で握り、左手首はしっかり絞り、右手首は軽く絞るくらいにしておくこと。
これを体得し、定着させるには、とにかくできるだけ竹刀を握る時間を毎日5分でもつくり、できれば素振りをするのがよい。上記のポイントを一つ一つ思いっきり意識しながら、数十本でも振ってみるのが大事である。天気が悪かったり、外に出るのがちょっと面倒な気がするときは、天井や照明を壊さないよう、床に膝をついた状態で、周りをよく確認しながら部屋の中で振るのもアリ。家族に迷惑かけないように注意しよう。
では、今回はここで終わりである。次回は、構えについて説明する。